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茯苓と絵師の娘
(2022)
素材:
プリント(絵画、写真)、墨田区の漢方薬局で購入した生薬、荒川付近で採取した野草、墨田区の公園で採取したキノコ類、ガラス瓶、紙ラベル等
墨田区にあるUNTITILED roomというスペースで、「茯苓と絵師の娘」というタイトルで個展を行った。葛飾北斎の娘、葛飾応為をテーマとした、墨田区の予算によるONA project room主催の「汽水域/Kisuiiki」という展示シリーズの一環として下記のようなコンセプトを構築した。
葛飾北斎の娘である葛飾応為は、女性の権利や自由が制限されていた江戸時代において、絵師としての才能を十分に発揮することができなかった。しかし、彼女は反骨精神にあふれた、時代を超えた女性であったことは間違いない。煙草や酒を嗜み、家がゴミ屋敷になっても気にしないなど、当時の女性としては相当に破天荒な性格を持っていたようである。だからこそ、絵師として名を残すことができたのかもしれない。
女仙になることを目指して毎日、松の根に寄生するキノコ、サルノコシカケ科マツボドの菌核を用いた漢方薬「茯苓」を飲んでいたというものがある。(女仙とは、中国故事において伝わる元は人間だが、禁欲的な修行によって不老不死と永遠の若さを手に入れた女性ことである。)江戸時代には女仙信仰が盛んであり、応為自身もそうした思想に影響され、この世のものとは思えない超越的な存在である女仙に憧れたのだろうか。
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